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わかっていたはずなんだ。
いつかはこういうことになってしまうって。
だけど今の俺達には
あまりにも残酷すぎることだったんだ
おわりのうた はじまりのうた :L
「ラビ、なんで…」
君は、そう呟いた。
今日は確か、イノセンスを回収するだけの任務だったはずだ。
特に変わりない、いつもの任務。
そんな任務を終えただろう君の前に、俺はいつもしていたように声をかけた。
千年伯爵と一緒に。
ここ
ブックマンを継ぐものとして教団を離れノアへ移ってきた。
そう、いつものように。
君は俺にラビ、と言った。
それは49番目の名前でありもう俺の名前ではないのに。
「俺はもう、『ラビ』じゃないんさ。」
君の顔がひどく歪んだ。
君もいつかはこうなってしまうことは知っていたはずなのに。
一瞬の静寂。
やがて君は消えてしまいそうな声で、
「うそ、だろ…?」
と言った。
一粒の涙とともに。
それは今まで見たことのない顔だった。
傷つきたくなかったから、見たくなかったから、お互い何も言わなかった。
これはその罰なのだろうか?
何度嘘だと願ったことだろう。
嘘だったらどんなに良かったことか。
ログ
ただの記録地だったはずの教団。
たくさんの時間が過ぎていくなかで、
ここ
いつしか俺はこ教団に居たいと思うようになった。
初めて仲間だと思えたんだ。
だけど、
君はエクソシストで、
俺はブックマンだった。
最初から、『仲間』なんてものじゃなかったんだ。
でも、
ラビ
あのときの笑顔は、間違いなく本物だった。
確かに幸せだったんだ。
「もう、いいでショウ?帰りマスヨ。」
不意に千年伯爵の声がした。
そのとき俺は思ってしまったんだ。
帰りたくない、と。
何もかも投げ出して、君と一緒にいたい、と。
でも残酷な神様はそんな願いを叶えてくれるはずもなく、
「ああ、わかった。」
なんて俺は返事をしてしまうのだった。
もう君にラビと呼ばれることはないだろう。
そう思った瞬間にあふれ出した想いを俺は必死にこらえていた。
ごめんね。
ありがとう。
49番目
さよならラビの愛した人。
生きていればまた会うことになるだろう。
近いうちに、必ず。
今 度 は 敵 と し て
生きていれば、なんて人はどうせ死ぬのだから、
敵として向かい合うよりもいっそのこと死んだほうが楽なんじゃないか、
そんなことも考えたけど、
いまの俺にはだたひたすら、
千年伯爵の後を追うことしかできそうになかった。
後ろから君が俺を何度も呼んでいた気がしたが、
それは今の俺の名前ではなかった。
けど、
もしも君にもう一度、名前を呼んでもらえるのなら。
そのときは俺のすべてを捨ててしまってもいいとさえ思った。
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